螺旋工房 > 作品一覧 >  ユージュアルTSF 第1話 ボウヤの賭けごと
僕は女の子になりたくてなりたくて仕方がなかった。
もっと気持ちいい思いがしたかったし、
女の子のファッションがしたくてしたくてたまらなかった。

僕の体格は小柄なものの、肌は化粧ノリが悪いし、女装をして街を歩く勇気もなかった。
家の中だけで楽しんでいてもむなしかった。
僕は街の中をオシャレでばっちり決めて、見る人みんなにかわいいと思われたかった。


僕には取り柄といえるものがほとんどなかった。

あえていうならカンがいいことぐらいだ。

大学で友達に誘われて始めたスロット・麻雀といった賭け事・・・
どれも自分で笑ってしまうくらいに強かった。

なんか感覚的にわかっちゃう。 この台は当たる この牌は来ない―― って


ある時、となり町の螺旋市にいったとき、街の外れにあった骨董屋が妙に気になった。
その店は入ってみると、どんより暗い中に壷や家具などがところ狭しと並んでいた。
それらはとても奇妙だったが、僕の第6感は奥にあるカウンターを気にしていた。

僕は骨董屋などにいったことはそれまでなかったが、
 そのカウンターのガラスケースには明らかに珍奇な品物があった。

『変化の薬』

そう、これなのだ。 僕が探していたものはこれに違いない。
僕のカンがこれだといっている。
半透明の写真のフィルムケースに赤いキラキラした粉末が入っている。

「ほしいのかい?」

ふと気づくと店の奥からずいぶん歳のいったオバサンが出てきている。
もちろんうなずく。

「ふふ・・・ならば手をみせてみな。 ・・・ふむ」

オバサンはカウンター越しに僕の手をとり手相を見始める。

「・・・・・・1億円だ。 今月中に1億円作ってきたらこれを売ってやるよ」

「1億!? それも今月中?」

「そうだ・・・ ボウヤが最大級の努力をすれば作れるお金だ」

「そ、そんな・・・」

「無理なら もうボウヤがこの薬を買うことはできないね」

「・・・僕じゃなかったら、違う金額ってことですか?」

「ふふふ・・・ そういうことさ。 重要なのは最大限の努力だよ」




僕にできることといえばギャンブル・・・
僕は期限の日までひたすらスロットを打ち続けた。
そうしてなんとか500万をつくったが、当然足りない。
だが、僕にはひとつの計画があった。 競馬だ。
僕は初めてやるギャンブルは必ず圧勝してきた。
1億なんて金額を作るにはそれをやるしかない。
初めての競馬で500万を軍資金にして勝つ。それが僕にできるすべてだ。

――そうして、僕は初めての競馬で勝った。 1億を作ることができたのだ。
カバンに詰めた1億を手に急いでオバサンの店に向かい、薬を買った。
オバサンが最後に僕にいった言葉が妙に引っ掛かった。

「その赤の粉末・・・ それは元はきれいな宝石だった。
 力を失ってしまったからそうして粉にしてあるんだがね

 それに関わったからには普通の人生は歩めないよ・・・

 ボウヤは既に螺旋の渦に巻き込まれてる
 それを飲んでしまった瞬間から
 人に選ばれる人生になってしまう・・・ 自分では選べないよ・・・」




ひとり暮らしの家に帰った僕はさっそく薬を飲むことにした。

これで夢が現実になる・・・ 間違いない。 この感覚が外れたことなんてない。
絶対に僕はなれる・・・・・・ 女に、女になれるんだ!!

宝石を飲むのは変な気分だったが、薬をすべて下の上に乗せ一気に水と飲み込む。
喉の奥にトゲトゲしい感触があたり、粉末の薬が腹に入っていく。

ドクン

心臓が高鳴る。 ・・・始まる・・・変化が・・・始まる!

ドクン

体の中から光が出ている。
飲み込んだ赤の粉末から出ているようだ。
喉から胃にかけてのあたりから光が発せられている。

「う・・・あ・・・あぁ・・・」

体が宙に浮いた・・・ 気が・・・した
部屋が 赤い光に 白い光に 埋め尽くされた。




目が覚める。 窓の外がすっかり暗くなっている。

・・・そうだ! 僕は薬を飲んで・・・・・・!! ある! 胸がある!!

僕がさっそく手を伸ばした胸は手からあふれ出るほどのおっぱいがついている。
急いで長鏡の前に立つ 起き上がった時の体が軽い 長い髪がなびく
すべての感触が最高にファンタスティックだ。

鏡に映った自分を見る。

「・・・!!」

かわいい女の子が驚いた顔をして自分をみてる。 これが僕なんだ!

「や、やった! ・・・僕はついに・・・
 ぼ、僕・・・じゃないや私・・・私ついに・・・」


嬉しい! 女の子になったんだ! しかもめちゃくちゃかわいい!
僕の理想の 顔立ちだ・・・
はっきりと大きな目 左右のバランスは完璧でくちびるはリップもつけてないのにツヤツヤ
化粧品のコマーシャルに出れるくらいにキレイな肌
さらさらの黒い髪 男だったときよりかなり伸びていてロングヘアーになっている。

「は、裸・・・見たい・・・」

僕はさっそく服を脱ぎ去る。 サイズが全然あっていない服は簡単に脱げる。

鏡をみると・・・そこには天使がいた。

「僕・・・ 私・・・?」

絶対に無理だと思ってたのに・・・ 女の子だ。
完全な女の子だ。 とてもかわいい! 裸・・・なんてキレイな裸なんだろう。

!?  ・・・すごい違和感を感じる。 どうしてだろう?

こんなかわいい女の子の裸をみてるというのに・・・
そうか! 全然 むらむらしないんだ。

当然といえば当然なんだけど・・・ 僕は自分のペニスがあった場所を手で空振る。
なんかさびしい気分になる。

「そうか・・・ ないんだな・・・ なくなっちゃったんだな・・・」

低音の響きがなくなった、程よく高くてかわいい声・・・ 僕の・・・私の声
キレイな自分の声を聴いてるだけで嬉しくなる。
カラオケでさややの曲とか練習してみよっかな?
振り付けとかも完璧にしたら絶対かわいいし・・・・・・?

なんかおかしい。
考え方が・・・思考の動き方が・・・一方向にいっちゃうような・・・
そういえば女の子の脳みそって男と違うっていってたような・・・

・・・なんかこわくなる。
考え方が変わっちゃうって・・・今の僕は前の僕とは違う・・・ もう"僕"は"私"なんだ。

「えへへ・・・ "僕"・・・ "私"・・・になっちゃった☆」

鏡に向かって表情をつくってみるとすごくかわいい。

「私ってすごいかわいい?  エヘッ」

にっこりとアイドルを意識したような表情を作る。超かわいい

私は鏡で顔を散々堪能した後、裸のままベッドの上に横になる。

「1番やりたかったこと・・・」

オナニー・・・ 女の子みたいに気持ちよくなりたい。
このかわいい顔を歪ませて かわいい声で喘ぎたい・・・
めちゃくちゃになりたい 脳がトロトロになってしまうぐらいの快楽でよがりたい――

ベッドに鏡を向けた後、股を開く。 初めてみるおま○こが自分のだなんて・・・

どうすれば気持ちよくなるのかな? 
鏡に映ってる自分に問いかけるかのように目を合わせる。

「たしか・・・ビデオでは・・・こんな風に・・・ ひああっ!」

少し触っただけで、皮膚の下を直に触るような感覚―――

こ・・・ここに豆って呼ばれるクリトリスが・・・
薄っすらと生える淫毛をかきわけてそこを 触る。

「ふぁ! ・・・こ、こんなに・・・あぁ・・・」

こんなに敏感だなんて・・・ 何回もしごいて射精しないと味わえない性感・・・
自分の求めていた・・・ すべての運を使って得たこの感覚・・・

「は・・・ぁ うぅ・・・ 私・・・うれしい・・・あぁ」

感じてる自分をみて興奮する・・・興奮したらさらに気持ちよくなって・・・

!?  なんか体の奥・・・ アソコがじめじめしてくる・・・

「あふぅ・・・ これが・・・濡れて・・る?
 あぁ・・・私、濡れてる・・・あぁ、濡れちゃって・・・ふあぁ!」


頭の後ろがふわふわしてくる。 声が自然にわき上がってくる。
頭を動かすと長い髪が背中を撫でて気持ちいい。 何もかもが気持ちいい。

「あぁ・・・最高・・・ こんなに・・・あぁ・・・うぅ」

ゆっくりとアソコをいじっているだけなのにどんどん気持ちよくなっていく。

すごいゆっくりとじわじわと・・・ 男と全然違う・・・
この調子でずっと気持ちよくなっていったら、頭がおかしくなっちゃいそうだ。

でも、やめたくない。 この・・この感覚を味わいたくて・・・僕は"私"に・・・

ブーーーン

「ひあっ!」

急にテレビの電源がつく。
ベッドの上に置いておいたテレビのリモコンを踏んでしまったらしい。
あ、さややだ。 スキャンダルの後、変な感じだけどやっぱりかわいいな〜
あれ? この歌知らないや 新曲かな? あの衣装いいなぁ〜

・・・・・・?

息切れしながらボーッと映し出された歌番組をみているうちに、気づく。

もっと気持ちよくなりたいって思ってたのに・・・
いつの間にかその気持ちがなくなっている。 "もういいや"って気分になってる。

おなかすいたし、コンビニになんか買いにいこうかな
あ、そういえば服・・・どうしよ?

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