螺旋工房 > 作品一覧 >  TSメイム 〜のっとられ〜 第1話 名も無きはじまりの詩
俺は大学生、拓河雄介。 ファミリーレストラン「ねじ」でウェイターのバイトをしている。

最近、そのバイト先にすごく気になってる娘がいる。
その娘の名前は、北野 明夢メイム
年齢は同い年で20らしいがどうみても中学生くらいにしかみえない。

身長の半分くらいあるんじゃないかと思わせる長い髪を後ろで水色のリボン結んでいて、
小柄だけど胸は結構あって目もぱっちりしてる明夢ちゃんは
ロリィの心をくすぐる遺伝子を全部兼ね備えているような生き物だった。

というベタ褒めの紹介からもわかっていただけるように、
俺の彼女に対する興味は「異性」としての興味だ。
俺以外のバイトの連中も狙っているが、
どんな話をしても噛み合わないは盛り上がらないはで仲良くなることができない。
もちろんバイトだから無理矢理いいところをみせようと手伝うことはできるのだが、
それもうまくいっている話を聞いたことがない。 俺も経験がある。
明夢ちゃんがごみ出しをやっていたから、
男の仕事だといっていいところをみせたつもりだったが、
「ありがとう」の一言だけで、のれんに腕押しだった。

明夢ちゃんはかなり世間からズレている。
こっちの常識は彼女の常識ではまったくなかった。

うわさによると身分証を持っていないらしく
店に正規の従業員としては雇ってもらっていないという…
どうみても日本人ではあるんだけどまるで密入国してきたような状態らしい。

この店のシフト表の空きはほとんど彼女によって埋められていて、
一番の働き頭にも関わらず、給料はみんなの半分くらいという噂もある。

誰も彼女がどこに住んでいるか知らないし、彼女が普段何をしているかも知らない。
バイトしかしていないから学生ではないとは思うが…
彼女に直接聞いてみても教えてくれない。
それは誰が聞こうとも同じだった。同僚の女の子が聞こうとも客が聞こうとも…
店のマネージャーに聞いてみたヤツがいたらしいが、マネージャーも知らないらしい。

そんな謎めいたところを気味悪がるヤツも当然いたが、
俺のように魅力に感じるヤツも数人いた。

ある時、玉砕覚悟で告白したヤツがいたが、そのまんま玉砕した。

俺は半ばあきらめテンションで、いっしょのシフトに入ったときに
どうにかして笑わせようとおもしろいネタを用意するぐらいになっていた。

そんな風になんとなくバイト生活を送っていた俺だがある時転機が訪れた。
同じバイト先の娘に告白されたのだ。
結構かわいい娘で俺も全然嫌いじゃなかったからオーケーした。
付き合ってから3ヶ月経ったいまでは結構いろいろ充実してて満足していた。




明夢ちゃんのことはかわいいなと思いつつも次第にどうでもよくなってきていたある日…
俺は偶然バイト先以外の場所で、はじめて明夢ちゃんを見た。

深夜の友達の家から歩いて帰る途中、
ふと見たら、車道を挟んで向かい側の道を明夢ちゃんが歩いていた。
バイトに入る時も帰る時も制服にジャンパーをかけてるだけの
明夢ちゃんの私服姿をみるのは今回が初めてだった。

私服の明夢ちゃんをいままで何度妄想してきたことか・・・あんな格好やこんな格好・・・
しかし、明夢ちゃんのファッションはかなりあっさりしていた。
Gパンに胸にハトのマークみたいのワンポイントでついてるTシャツにいつものジャンパー…
むぅぅ、ちょっと胸元のハトマークがかわいいがもっといけるだろ明夢ちゃん。
こんな夜中だからだろうか?

俺はどこにいくのかな? なんて思っているうちに後をつけていた。
やべーこれじゃストーカーだとか思いながらも、
彼女のプライベートに近づきたいと欲求には勝てずに尾行をつづけた。

結局、かなりの時間つけたが、何のアクションもないので、
やめて帰路に戻ろうと進路を変えた時、急に後ろから名前を呼ばれる。

「ゆうすけ君、ゆうすけ君でしょ?」

すぐに明夢ちゃんだとわかるかわいい声。 はいいんだけど・・・ バレた!?
なんとか平静を装って後ろを振り返ると明夢ちゃんがダッシュで駆けよってくる。

「パッとみたらいるんだもん。 こんな時間にどうしたの?
 ゆうすけ君の家ってここら辺じゃないよね?」

「あぁ、友達の家でマージャンやってたんだよ… で、今帰り」

「へぇ〜 マージャンってあのブロックをジャラジャラ混ぜるゲームだよね
 こんな遅くまでやってるなんて おもしろいゲームなんだねー」

「あ〜まぁそんなところかなぁ」

いつも通りのズレっぷりをかわいいなと思いつつも、
俺は妙にフレンドリーな明夢ちゃんに戸惑いを感じていた。

「ん? どーしたの??」

人差し指を口に当ててハテナ?って感じの仕草はかなりかわいいけど、
俺は一年間以上いっしょにいてそんな彼女をみたことがない。
「え… い、いやぁ
 今日の明夢ちゃんはいつになくかわいいなと思ってねアハハ」

うげ、なにいっとんねんワレΣ

「あ〜 そんなこといってると泉さんにいいつけちゃうゾ〜〜」

「勘弁してくださいませ (*_ _)ペコリ」

泉とは泉涼子…俺の彼女のことだ。
俺がバイトに入る前からいた涼子と明夢ちゃんとの付き合いは2年近くになるが、
その涼子ですら明夢ちゃんに関して知っていることは俺と同じようなものだった。
もっとも俺も彼女と延々と他の女の話をするほどまぬけではなかったし、
あんまり詳しくは聞いていないんだが・・・

とにもかくにも俺はみたことのない明夢ちゃんに完全に翻弄されていた。

「そうそう、わたしゆうすけ君にみてほしいものがあったんだ」

俺が次の言葉をみつけられずに停滞してると明夢ちゃんが続けてくる。

「え? なに??」

「いま家にあるんだけど… ここから近いし 見に来ない?

「ええ!!?」

なんと彼女からのお誘い… しかもこんな深夜に…!?

「え〜と、なにかは教えてくれないの?」

「えへへ… それはみてのお楽しみで〜す」

「…………」

普通ならこんな誘いは即効で断るべきなのはわかってる。
しかも俺にはつきあってる彼女がいる。

が、俺は何人たりとも踏み入れたことのない未開の地に興味があった。
半端 なく興味があった。

いま踏み入れなかったらおそらく永遠にチャンスは訪れないような予感すらした。
彼女にいままで接してきたすべての仲間たちが知りえなかったブラックボックス…
俺は例え一回、涼子を裏切ることになろうとも…

「あ! ごめん… 泉さんに悪いよね…」

俺が頭の中であれこれと考えを巡らせていると、
明夢ちゃんが涼子のことを考えているのだと気遣ってくれる。
「あ… いや、いくよ」

「え!?」

「いくよ… 明夢ちゃんの家。 もちろんすぐ帰るけどね」

あえて口に出していって、自分に言い聞かせる。

「うん! じゃ、いこっか!」

微笑んだ明夢ちゃんは今まで見た中で一番、本当に「笑っている」感じがした。
思わずすぐ帰るといいきかせたにも関わらずドキドキしている自分がいた。

「どうしたの? すぐそこだよ〜」

「あ、うん。 いこういこう」

俺は改めて自分に言い聞かせて、明夢ちゃんの家に向かうことにした。




「ここ ここ〜」

明夢ちゃんはそういってタンタンと音をたてながら階段を上がっていく…
イメージとは全く違ったオンボロ宿舎の階段を上りはじめた明夢ちゃんはどうみても本気だ。
とてもじゃないけど女の子がひとりで住むようなところではない。
ここまで来た道のりもずっと人目の少ない通りがつづき女の子ひとりで歩くには危険すぎる。

「ほら、ゆうすけ君も早くきなよ〜」

俺がフリーズしてると2階まで上がりきった明夢ちゃんが急かしてくる。

「ごめんごめん。 今いくよ」

ギシ・・・ ギシリ・・・ ギシン

・・・いつ抜けてもおかしくないなと思わせるさびさびの階段は俺にホラーを感じさせる。

「ここの一番端っこの部屋が私の家で〜す」

いつもより数倍高いテンションの明夢ちゃんに右手を引っ張られてズコズコと連れられる。

210号室 ―――。 それが一番端の部屋だった。
他に住人が住んでいる気配すら感じられない宿舎は中学の時の旧校舎を思い出させる。

ガチャリ・・・ ギココココ・・・・・・

明夢ちゃんがドアを開けるとふわっとした、
いかにもフローラルなんちゃらとかいう名前のついていそうな香りが鼻に届く。
精気すら感じなかったこの建物でようやく人っぽさを感じる。
ラバーコートに塗り固められた地面の間から、花が1輪だけ咲いているような感じだ。
電灯をつけるとそこには外観からの想像に難くないボロさだったが、
足元にうさぎの足ふきマットがしいてあってなんだか安心する。

とはいったもののやはり驚きは驚きだ。
三畳一間に押入れはあるものの後は小さな棚と畳み掛けてあるちゃぶ台しか目に入らない。
何にもない。 というより何にも置けるスペースがない。といった方が正しいのか・・・

「どーしたの? ゆうすけ君、遠慮せずにドーゾ☆」

呆気に取られながらついつい再フリーズしていた俺は
平静を装えてないのが自分でもわかったが、とにかく中へと入る。

「おじゃましまーす…と」

「びっくりするほどボロ〜いでしょ〜」

「えあ いや… あぁ」

「アハハいいって別に気にしてないから」

明夢ちゃんがカラカラと笑う。
女の子は時間帯によってテンションが変わるというがこれではまるで別人だ。

「家賃がただみたいな変わりにトイレもお風呂もキッチンも洗面台も共同なのよぉ」

「うわ〜 すごいなぁ…」

もう完全に適当な返しだ。 というか言葉がみつからない。

「まぁ座って座って」

「あ、ああ」

俺は毒も食わば皿までの心積もりになってきた…
きっと明夢ちゃんは噂に自分とは違う世界にいる娘なんだろうと…

「そうそうみてもらいたいものなんだけどねー
 …よいしょと…この押入れの…上の段に…うみゅう…」

明夢ちゃんは押入れの上に置いてある
ダンボール箱を取ろうとしているが、身長がまったく届いていない。

「はいはい… この箱でいいの?」

「あ、うん。 ありがとう」

俺は替わって置いてあったダンボール箱を取り出す。
思った以上にズッシリとした箱は下ろす際にジャラジャラと内容物が大きく音を鳴らした。

「これ… 何が入ってるの?」

「ん? ま、あとのお楽しみ…」

畳の上に置いた箱を間に挟んで向かい合わせに座ってる俺と明夢ちゃん。
なんか部屋が狭いだけによけい近くに彼女を感じる…
涼子とはまた違った女の香りにほのかに理性が揺らいでしまう。

「それよりさ… ゆうすけ君、ちょっと私の目をみてみてくれない?」

「え?」

なんの脈絡もなく明夢ちゃんがそんなことを切り出す。

「目よ。目・・・ よ〜くみてみて…
 私の目、純粋な黒じゃなくてちょっと赤いんだよー」


明夢ちゃんが無防備に顔を近づけてくる・・・

「え? ホ、ホント・・・?」

小さくてやわらかそうなくちびるに目を奪われそうになりつつもいわれた通りする。

いわれてみると純粋な黒ではなくて・・・すこし赤い・・・?
黒じゃなくて・・・・・・赤に・・・光って・・・・・・目が赤く・・・

「そう、もっとよくみて・・・ 私の目はどんな色?」

なんか異様な眠気が襲ってくる。

完全に視界が明夢ちゃんの瞳で埋め尽くされる・・・
いや、 だけ・・・ 赤い・・・ だけ・・・・・・

「赤・・・ すごく深い赤だ・・・・・・きれいで・・・」

「ふふふ・・・ キレイ?・・・ もっとよくみたらまた別の発見があるかもよ?」

俺は彼女にいわれるがままに、視界を支配している「赤」に酔いしれる。

「あぁ・・・ 私にもみえてきた・・・・・・」

明夢ちゃんとの距離がすごく近くなった気がする。
あとすこし顔を前進させたらくちびるが触れるくらいに・・・近いような・・・

・・・?? ・・・・・・? いや、これでは近すぎる・・・・・・
もうくちびるの触れ合うのを通り越して彼女と重なり合ってる感じすらする・・・
いや、感じではない・・・実際に・・・・・・そうなって・・・・・・いる?

「私たちすごく近くにいるね」

と「俺」の口が発する。 俺はそんなことをいうつもりは・・・

「いったい・・・これは・・・」

明夢ちゃんの口が俺のいおうとしたことをいった・・・??
いや、俺も言った・・・みたいだ・・・

もうなにがなんだかわからなくなっている・・・
また、距離が近くなった気がする・・・

信じられないことに赤に支配された視界の中で俺は彼女と完全に重なり合っている。
ふたりの頭が同じ位置にある・・・!?

俺はいったい・・・ どこに・・・・・・ どこにいるんだ?

眠い・・・ 異様に眠い・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「おい、起きろよ。 明夢! 起きろってば!」

すごく聞きなじんだ声が聞こえてくる。
声のヌシが俺の体を力強く揺さぶってくる。

「うぅ・・・・・・ なんだよ・・・ いったい・・・」

寝起きのあまりよくない俺は不機嫌に目を開けて上体を起こした。
さっきの部屋のまんまだ・・・
入ったとき部屋を照らしていた裸電球は消されていた。
窓のカーテンの隙間からから月明かりが差し込み部屋をほんのり照らしてはいるが、
やはり暗くて何がなんだかよくわからない・・・

「メイム! いつまで寝てんだよ」

男の声がそう俺に話しかけてくる・・・
いったい何がどうなってるのかさっぱりわからん。

も、もしかして・・・明夢ちゃん、彼氏 いたのか?
彼氏が入ってきて寝ている俺を起こして・・・ めちゃくちゃ修羅場じゃねーか!

「いや、これはその・・・」

!!?

いいわけをしようととりあえず言葉を発すると俺ではない別の人間がしゃべる。

「え? あれ? いや・・・・・・・・・ は?」

何回声を出そうとしてもそいつがしゃべるばっかりで俺の声がでない・・・

「寝ぼけてるのか? 明夢・・・」

そうそうこれが俺の声・・・・・・  って??!

は?  なんで「俺」に話しかけられてんだ?

「仕方ねぇなぁ
 俺が目覚めのキスで姫サマを永い眠りから覚まさせてやるよ」

は? いや「俺」が  じゃない!!?

俺がこんな歯が浮くどころか浮きすぎてどっかにスッ飛んでいってしまいそうな
パジャマで表参道を歩くような恥ずかしいセリフを吐くはずがない・・・

ていうか俺完全に寝ぼけてんな・・・自分で自分の意味が・・・

「はむ・・・んんんっ!!」

不意に口を塞がれた。

「お目覚めの時間ですよお姫サマ・・・ クチュクチュ」

「むはぁ! んん・・・」

頭をでかい手で包むように抱えられ・・・男に・・・キスされてる・・・!

「ふ・・・ざけんな!!」

俺は俺を抱えてキスをしている変態野郎を両手で押し飛ばしてやる。
ドスンと音を立てて変態野郎が壁に当たる。

「なにすんだ。 このメスが!」

「メスって誰のことを! って・・・?」

中腰に立ち上がって不届き者を攻めようと思って意気込んだが、
俺の口からはどこかで聞いたことのあるかわいい女の声が出てくる。

「お前以外に誰がいるんだよ?」

男が俺に詰め寄って首に手をかけてくる。
抵抗しようと思ったが信じられない力で窓側の壁に押し付けられてしまう。

「ひあっ!」

口からなさけない声がこぼれる。

ヒューーッ

外の風が窓の隙間から吹き込みカーテンを揺らし、月光が隙間からこぼれる。
月明かりに男の顔が照らされる。

!!?

「俺?」

俺を襲ってるのは「俺」だ。 いや俺だけど俺じゃない・・・

「俺って誰のことだ? メスはメスらしく"わたし"っていえ」

「な・・・ふああぁ!!」

押え付けてる手を離そうと力を入れるがまったく歯が立たない。
しかもまた自分の口からはよわよわとした声が漏れてしまう。

「くっ・・・ くう・・・いったいなにがどうなって・・・俺はいったい・・・」

「お前が明夢なんだよ。 いい加減理解しろよ ヘヘ・・・」

『俺』はそういうと俺のアゴをつかんだ手で持ち上げ、顔を近づけてくる。
みたことのない『自分』の凶悪な顔にいいようのない恐怖を感じる。

「まぁだ わかってねぇようだな・・・ ほら、みてみろよ」

『俺』が棚から取った手鏡を俺の前に出す・・・

「うわぁああああぁああ!!!」

そこには『明夢ちゃん』がうつっている。
鏡にうつった明夢ちゃんは・・・俺・・・?
寝ている間にズボンは脱がされ、白いパンティがTシャツからチラチラとのぞいている。

「ふふふ、やっとわかったみたいだな。
 お前がメイムなんだよ。そして俺が雄介・・・拓河雄介・・・・・・」

『俺』が微笑んだ・・・ いや、こいつが俺なわけがない、俺が『俺』だ

「俺が拓河雄介だ! 俺が!!」

明夢ちゃんの声で意気込んでもすべてがむなしいだけたがやらないわけにはいかない。

「うるせえ メスだな! いっちょシツケてやるとするか・・・クク」

『俺』の口元がニヤリと歪んだ。

「な、なにを・・・」

俺が言葉の意味を理解しないうちに俺はうつ伏せに畳に押し付けられる。
片腕を取られて体のうしろにまわされて、あっさりと抵抗できない体勢にされてしまう。

「うくぁぁ!!」

意識を飛び越えて口から声が出る。 まるで体が先に反応しているかのように・・・

「シツケだよ。 シツケ・・・ ヘヘ
 お前に教え込んでやるよ。 まだいろいろわかってねぇようだからな!」

「んあああ! や、やめ・・・ ううぅ!」

顔を押え付けられグリグリと畳に擦り付けられると、自然に涙がにじみ出してくる。
油断するとあふれ出してしまいそうなくらいに涙腺が緩くなっている。

「さてと・・・ 『ゆうすけ君』にわざわざ下ろしてもらったこの箱ね・・・
 後のお楽しみっていってたでしょ・・・ いまからみせてあげるねー」

!!?

そうだ! いままで考える余裕もなかったが、俺の体の中にいるのは・・・

「め、明夢ちゃん??」

「ふふふ・・・ ようやくわかってきたみたいね・・・
 そうよ。 あなたの体の中にいるのは「私」・・・・・・」


「な! め、きみだとしたら どうしてこんなこと・・・」

「どうしてって・・・ 私があなたの体が欲しかったから・・・
 若くて、将来有望な男の体がね!


「・・・ど、どういう・・・」

説明してやるよ! ゆ〜すけ君・・・
 ・・・にしてもやっぱ男の体は男言葉が1番だねーー」

「う、うぅ・・・」

「俺はね・・・ 本当はこの世に存在しないモノだったんだよ。
 でも生身の体を得ることができた。いまのお前の体だよ・・・
 明夢って明るい夢って書くけどね。
 本当は名が無いと書いて名無(めいむ)だったんだよ。
 メイムは名も無ければ戸籍も当然無いし、
 社会的に存在しないモノなんだよ。ただ体だけがある。
 俺もな・・・ 最初どれだけ苦労したか・・・
 何歳かなんてわからないけど、外見はどうみても未成年・・・
 お金なんか一円もないし当然部屋なんてなかった!!」


「うあ・・・」

語尾を荒げた『俺』に力が入り、顔がさらにキツく畳に押し付けられる。

「ふん・・・こんな苦しみなんて序の口だぞ・・・
 メイムの体で社会に放り出された俺が
 こんな生活の環境を得るのだけでもどれだけ大変だったか・・・
お前にはわかるまい!!
 俺は精神は男だったんだよ。
 やはりこうして男の体に入ってみて改めて思うよ。
 社会的な保障を持たない俺に社会は厳しかった。
 どこにいっても保護者はどこだと聞いてきやがる。
 施設に入れられかけたこともあった。
 涙ながらに頼んでやっと得た職は自給300円・・・
 3時間働いてやっと普通の人の1時間分の給料になった」


噂は本当だったのか・・・・・・

「いままでの明夢ちゃんは 全部・・・ウソだったのか?」

「あぁそうだよ。 明らかに仲良くすることを狙って接してくるお前らはウザかったよ。
 ときどきぶん殴ってやりたくなったが、これからはお前の番 だな」

いままでみんながあこがれてきた明夢ちゃんが・・・ウソ? 信じられない・・・
いや、外見がかわいいだけじゃなくて、いろいろな仕草や口調・・・
なにもかもがこの目の前の『俺』の中にいるヤツがやってたのか?

「う、うそだ・・・」

「うそ? 俺が明夢だったってことがか?
 俺はお前らが望む偶像を演じてやってただけだ。
 俺はこの世界のことなんか何にも知らなかったが、
 お前らの鼻の下を伸ばすことを覚えるのは簡単なことだったよ。
 ときどき演じている自分に反吐が出そうになったがな・・・・・・
 ハハハッ いまこうして終わることができたからアレも笑える!
 これからはあの茶番を味わわなくていい・・・
 溜まる一方だった願望ももう我慢しなくていい!」

「が、願望?・・・」

へへ・・・ こういう願望だよ!

そういうとメイムは後ろから体に乗り、上着を脱がせてくる。

「な!」

「セックスだよ。 思いっきりお前にブチ込んでやる」

「や、やめろーー!!
 うあぁあああ! 誰か! 誰かー!!」


ゴフッ わき腹に衝撃が走った。

「う! うえぇ・・・」

「うるせえメスだな・・・ よく考えろ・・・
 お前が騒いでるのを誰かが聞きつけて警察を呼んでも捕まるのは
 お前の体だぞ。 そして身元不明のお前は施設送りだ。
 すこしでも変なことほざいたら精神病院で隔離生活だぜ?
 それでもいいんなら存分に騒げよ。 お前にとっても全くいいことはないぜ?」

「う・・・うぅ そんな・・・そんなのって・・・」

「俺はずっとこうなることをシミュレートしてきたんだよ。
 バイト先の男のことは調べつくしてる。
 人間関係も・・・ 入れ替わっても不思議に思われないようにね・・・
 実際、拓河雄介はもっともほしかった
 体のひとつだったから嬉しいことこの上ないね!」

「あぁ・・・ そんな・・・・・・うぅ・・・」

「さてと・・・ 何度想像の中で男としてメイムを犯したことか・・・・・・
 ホントたまらないぜ・・・ その童顔の顔と巨乳のコントラスト!!」

メイムに後ろから胸をわしづかみにされもみくちゃにされる。

「う! あぁ!! やめ・・・あぁあ!!」

「へへ・・・ おっぱいは感じるだろ?
 特にこういう風にされたりしたらよ!」

そういうと俺の胸を下からゆっくりと撫で上げてくる。

「ああ! ンン!」

体中にやわらかな快楽が浸透していく・・・それも胸から・・・
そんなところが気持ちいいことなんてなかったし、ぷるんぷるんと振るえるおっぱいもなかったのに・・・ なかったはずの部分から来る未知の快楽はとてつもなくこわかった。
乳首が以上に敏感になっているようで ブラジャーにあたるだけでも感じてしまう。

「ほらよ!」

体中から気が抜けているうちに上体を起こされ、上着を取られてしまう。

「ああ!」

「へへ、こうやって別の体から味わうメイムはやっぱ違うね!」

簡単にブラを外されてしまい、ブルンとでっかいおっぱいが視界に飛び出す。

重い! ブラジャーがなくなるだけでこんなに違うなんて・・・
体が・・・男じゃない・・・男だったら誰でもよろこぶほどの胸が自分についている。
頭がおかしくなってしまうそうになる。

「ふふ・・・ 巨乳ちゃんは肩こりが悩みだぜ さて生でいただきますッ・・・と」

正面からメイムが胸にしゃぶりついてくる。
乳首を吸い上げられナメまわされると体全体にぼやけた快感が広がっていく。

「ひぁああ! ンンッ やめ、ひぃん!
 やめろぉ・・・ ひぃああああ!!」


「いい声で鳴くなぁ 『明夢ちゃん☆』

「メ・・・ メイムはおま・・・ ひあ!

乳首を軽く噛まれ強い刺激に思わず声をあげてしまう。

「俺のこと、いつものように『ゆうすけ君』て呼んでくれよ。 明夢」

「ふ、ふざけるな! 俺が・・・ひぃあああ!!!

両方の乳首をキュッとつねられると自分の意思を飛び越えて、
まるでスイッチを押されたみたいに声が出てしまう。

「ふふ・・・ 首筋・・・ すごく気持ちいいよ・・・・・・ペロリ」

「ふあ!!」

首筋をなめられると胸を触られるのとは違うくすぐるような感覚が頭をしびれさせる。

「んん・・・ 俺、もう我慢できない。
 明夢ちゃん・・・ 俺、明夢ちゃんがほしい・・・」


「ひ! やめ・・・ ンンッ

全力で抵抗してるのに、肩に手をかけられグイと押されると、簡単に押し倒されてしまう。

「明夢・・・ パンツ・・・取るよ」

「ふ、ふざけるなぁ! やめろ! うぅ・・・」

両足を閉じてなんとかさせないようにしたが、腰と首筋を同時に愛撫され
力が入らなくなったところを責められ、難なく取られてしまう。
「ん! んん・・・・・・」

不意にキスをされ思わず口腔内に舌の侵入を許してしまう。

「クチュクチュ・・・ んんん・・・ んん」

口の中をかき回されるたびに細かい思考などどこかへいってしまい
体中に霧がかかったような感覚が広がっていく。
何もかもを相手に任せてしまいたくなってしまう。

「うぅ・・・ ん、やめ・・・ん! クチュ・・・ んん」

反抗しようと少し顔を逸らして口を離そうとしたが、あっさりと抱き戻される。
抵抗する意思は段々と気持ちよさの中にぼやけていってしまう。

「ぷはぁ  ・・・・・・じゃ、足広げて・・・」

「!!? ひぃ! やめろ!! そ・・・そんなものしまえよ!!」

ふとみると『メイム』はとっくに下半身を脱いでいる。

「へへ・・・ 明夢ちゃんの体みてたらこんなになっちゃったよ☆」

う、うあああ! な、何考えてる! 向こういけって!」

みている間でもムクムクと大きくなってきてるのがわかる。
見慣れているはずの『ナニ』はすごくグロテスクに感じた。

「明夢・・・ 俺、明夢がほしい!」

「ひっ やめろー!」

抵抗は意味なく足を持ち上げられ受け入れる体勢にされてしまう。

「クソッ! やめ・・・ひぁ!」

ペニスがアソコに触れると体中のどんな場所よりも敏感にそれを感じ取る。
どんなに体を動かして逃れようと思ってもがっちりと体を押さえ込まれてしまい
絶対に逃げられないという絶望を感じてしまう。 ふと気づくと涙がこぼれている。

「明夢ちゃん・・・ 痛いのは最初だけだからね?」

「ふざけるなぁ!! お前がメイムだろ!」

体中の力を振り絞って怒りの声をぶつけたつもりだったが、
口から出たのは自分の想像を裏切ったよわよわしい泣き声だった。

「・・・・・・・・・・・・」

メイムが動きを止めてじいっと俺を見てくる。
無表情だが何か感情がこもってる感じがする・・・
瞳の置くには深い赤がみえた・・・ 今の俺の目はどうなってるんだ?
こんな状況の中、冷静にそんなことを考えている自分がいる。俺はいったいどうなって・・・


グッ

止まった空間はメイムの動作によって一気に砕かれる。
膣口の入り口で止まっていたペニスを侵入させてきたのだ。

「うぁあああ! 痛い! やめ・・・うぅ」

「いくよ・・・」

グリ

「あああぁああああ!!」

体を肉の棒で貫かれるというあまりにも生々しい感触。
強制的に突き入れられたそれを自分の体がギュウギュウと締め付けているのがわかる。

「うぅ・・・ すごい締め付けっ」

「うぅ・・・ ぬ・・・抜いて・・・ うあああぁああ!!!

それが「穴」をぐにぐにと押し広げて侵入していくという
「ありえない感覚」に気が狂ってしまいそうになる。
肉棒が肉壁をこじ開けて進むたびに
入り口の部分が擦れて燃え上がりそうな痛みがおそってくる。

「あぁう・・・ こ、これが挿入する感覚・・・ もっと・・・もっと入れてやる!」

「ひっ! やめろぉ! ひぃあ・・・ う・・・ン」

自分の中の閉じてる部分が肉棒によってこじ開けられていく感覚は
胸などを触られて感じていた時のふわりとした快楽とは対極的に鋭く生生しかった。
それがこじ開け奥に進むたびにひいっとなさけない声をあげてしまう。
あそこが痙攣しながらも液を分泌しているのが自分でもわかった。

「はぁはぁ・・・ 全部入った・・・」

メイムの表情は明らかに感動に酔いしれている。
自分の顔だからその感情ははっきりとわかる。
はじめてハッキリと見る、メイムに奪われた自分の顔・・・
自分に犯されているというおぞましい現実を再確認してしまい、涙がさらに溢れた。

「すげぇ 気持ちいい・・・ 動かすよ・・・」

メイムはそういうと腰を激しく動かしはじめる。
いままで感じたこともないすべての感覚が俺を襲ってくる。
痛い、気持ちいい、熱い、痛い、気持ちいい・・・
逃れようという気持ちは自分を押え付けてる大きな手をみていると失せてしまう。
あまりにも強すぎる感覚が思考を吹き飛ばす。

「うく・・・ すっごい気持ちいいよ。 明夢ちゃん! すごくいい!!」

「ひぃ! うっ あぁ・・・ もっと弱く・・・壊れる・・・ おかしくな・・・うひゃあ!

やめてくれることがありえないのは見慣れた自分の顔をみていたらわかる。
メイムは快楽に酔いしれてる・・・ 俺を徹底的にいたぶることに最高の快感を感じている。

「ふふふ・・・ 弱くして欲しいって?
 じゃあちゃんと俺に頼めよ。
 "ゆうすけ君、もっと明夢にやさしくしてください"ってよ」

動きを止めたかと思えば、メイムがとんでもない提案をしてくる。

「そ・・・そんなこといえるわけ・・・」

「じゃあ、俺ももっとハードに責めるとするかな。 ほらよ!」

「うあああ!!」

腰が持ち上げられ重力が全部結合部にかかり、
エビ反りになって自然と手を伸ばして自分の体を支えるような体勢になってしまう。
ペニスがより深く体に侵入し『奥』に当たった。

「あああぁ! う・・・ひっ んああああ!」

「明夢は激しいのが好きなんだよな!」

「うああ! 動かすなぁ!」

「え? セリフが違うんじゃない? んっ」

「ひぃ! ・・・やめ・・・ひあ!」

「なんていうんだっけ? め・い・む・ちゃん☆ ほらっ」

「ひぃぃぃい!!
 あぁ・・・うぅ・・・いえるわけ・・・ひぃん!!」


望まないことをいうと突き上げられる。
奥に当たってる状態でそれをやられると
内蔵が潰れてしまうかのような苦しさが俺を襲う・・・

「なんていうんだったかな? 明夢ちゃん?」

「うぅ・・・・・・いえな・・・ うあ! やめ・・・いう! いうから・・・」

メイムの口元がいやらしく歪む。

「もっとやさしくしてください・・・」

「違うなぁ・・・ だ・れ・にやさしくしてもらいたいのかなぁ?」

最大限のことをいったつもりでも許してもらえず泣きそうになる。
だれにって・・・そんな・・・こといえるわけ・・・

「・・・・・・・・・」

「まだ、自分の立場というものがわかっていないようだね」

そういうとメイムが右手を膣口に運ぶ。

「な、なにを・・・」

「ふふ・・・ 期待してるの? 明夢ちゃん? ・・・こういうのは好きかな??」

「な・・・ ひああぁああああぁ!!!」

ただでも肉棒に埋められ、圧迫感で苦しんでいた媚肉にメイムが指を侵入させてくる。
少し動かすだけで肉が裂けてしまいそうなくらい痛い。

「・・・2本目、いこうか?」

「やめて・・・ いうから・・・・・・」

『俺』の顔が嬉しそうにしている。

「ついでにいうなら・・・ つぎからやめてほしい時は『やめてください』だ。
 さぁ・・・ ちゃんと頼んでみな・・・明夢ちゃん☆」

「うぅ・・・ ゆうすけ君、もっとやさしくして・・・くだ・・・さい・・・」

「ん〜 おしい 明夢にやさしくしてください・・・だよ。 はい、もう一度!」

「く・・・う・・・ ゆうすけ君・・・
 もっと・・・・・・明夢に・・・やさしく・・・してくだ・・・さい」


屈辱・・・ あまりのも屈辱に泣いて暴れたいような衝動にかられる。
俺・・・が・・・ 雄介だ・・・ 明夢じゃない・・・!

「ふふふ・・・ すこし声がちいさくてよく聞こえなかったかな〜
 はい、もう一度!」

「ふ、ふざけるなぁぁああ!! 殺してやる!
 俺が雄介だ! 俺が拓河雄介だぁ! クソォォ!!」


感情が溢れ出した。 思考よりも先に言葉が口から出ていた。

「へー そういう こといっちゃうか〜」

メイムが肉棒を引き抜き、立ち上がる。

「自分の立場ってのがホントわかってないねぇ。 ゆうすけ君は・・・」

ゆうすけ君と呼んできたメイムに何かおそろしいものを感じる。
自分の・・・拓河雄介の顔だが・・・ 俺は自分の・・・こんな表情をみたことがない。
メイムは立ち上がるとおもむろに畳に転がっている服を着始める。

「え・・・?」

俺が呆気に取られているのをよそにメイムは服を着終わり、
棚に置いてある箱と財布を置いてあった紙袋に入れる。

「さぁて・・・と。 このペニスは涼子に沈めてもらおうかな・・・」

「な!!?」

想像もしていなかった言葉がメイムの口から飛び出る。

「じゃあね。 明夢ちゃん・・・ 今度は最後までやろう。
 明日は2時からバイト入ってるからちゃんといきなよ?」

「へ?」

展開についていけない俺を見下ろしながらメイムが続ける。

「もう何もかも俺のものなんだよ。
 お前の体も彼女だった涼子も社会的立場も金も・・・
 お前はこれからここで暮らしていくんだよ。 明夢に友達はいないよ。
 お金はいま俺が手に持ってる10万円が全部だし、携帯電話もない・・・
 バイトも自給360円だからがんばってね。
 効率を考えるなら風俗とかいいかもしれないけど
 その容貌だと多分なかなか雇ってくれるところないんじゃないかな?
 もっとも俺だったら男に体売るなんて絶対イヤだけどね・・・
 警察いって保護されるのもいいかもね。
 でもすこしでも変なこといったら病院行きだと思うよ。
 保険証なんて当然ないから病気にならないように気をつけてね」


そういうとメイムが玄関へと向かう・・・

「そん・・・な・・・ あ・・・待って・・・」

「じゃーねー バイバイ」

俺の言葉などまったく相手にせずメイムがドアを開けて出て行く・・・

「ま・・・」

バタンッ・・・

ボロボロの安扉が大きな音をたてて閉められる。
まるで自分の終わりを告げられたような気がしてくる。
自分を奪われたという孤独・・・ 狭い部屋・・・ 涼子・・・
いてもたってもいられなくなって、裸のまま部屋を駆け出し叫ぶ。

「待って! 待って・・ください!! ・・・・・ゆうすけ君!」

まだあまり部屋から離れていなかったメイムがくるりと振り返り
みたこともない冷徹な眼差しでこっちをみていう。

「メス犬が・・・ やっと立場ってもんがわかってきたみたいだな・・・」


<つづく>  


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